パスカル数理ゼミ
パスカル数理ゼミ

 僕は2017年の7月末にブラジルで行われた国際数学オリンピック(以下IMOと略します。)に参加し銅メダルを獲得しました。大会全体を通してのレベルや感想、これからIMOに参加したい人へのアドバイス等を中心に書いていこうと思います。
 まず大会の概略から書いていきます。毎年約4,000人が受験する予選から初まり、本選、春合宿を経て日本代表の6人が選抜されます。いずれも問題自体はかなり難しいですが、僕は取れる問題を確実に取って減点を最小限に抑える事で本選、春合宿とボーダーラインすれすれの点で通過しました。代表に選ばれると数オリの通信添削や4日間の強化合宿もありますが、基本的には自力で対策を進めていくことになります。数オリ対策用の参考書は古すぎたり簡単すぎたりと近年のIMOと傾向が全然違うものが多いので、"AoPS"という各国の国内大会の問題やIMOの過去問が載っているサイトの問題を淡々と解いていきました。そんな感じで3ヶ月間くらい対策するといよいよIMOです。
 まず12時間かけてドイツのフランクフルト空港まで行き、そこから更に12時間かけてリオデジャネイロ空港まで行きました。行きの便ではIMOを控えていることもあって、皆待ち時間はずっと数学の問題を解いてました。ホテルに着いてからIMOの試験までの間も皆各々対策していました。そして迎えたIMOの試験。試験は3問で4時間半のテストを2セットです。テストは体育館のような場所で受けました。今年は一部の問題がかなり難しかったこともありテスト中の2日間は日本代表内でもかなり緊迫感がありました。テストが終わると次はリオ市内の観光です。2、3日程度の観光プログラムが組まれていて、近くのショッピングモールに行ったり、オリンピックで使用されたサッカースタジアムの見学をしたりしました。その中でも特に印象的だったのはシュガーローフ マウンテンの上から見た景色です。ロープウェイで山に登り、山頂からリオ市内を一望しました。リオは自然も結構残っていてすごいきれいでした(語彙力の限界)。 観光している時以外はずっとホテルの地下にあるRecreation Room(カラオケ、卓球台、UNO、Table Soccer等が置いてある)で海外の選手達とずっと遊んでいました。僕はTable Soccerにはまり、ずーーっとそればかりしていました。そこではしゃぎすぎて喉がやられ3週間近く咳が止まりませんでした。それくらい楽しかったです。その後はテストの結果が発表されてメダルの授与、閉会式、帰国という流れでした。
 最後になりましたがこれからIMOに出たい人へ。IMOの問題はすぐに解けるようになるものではなく、時間をかけてじわじわ解けるようになるものだと思うので早めの対策をお勧めします。日本代表の中でもやはり演習量と実力の間にははっきりと相関がありましたし、詰まる所発想の引出しの多さがモノを言う世界だと思います。パスカル数理ゼミの皆さんの中からIMO金メダリストが出てくるよう願っています!

 私は中学生の頃から、科学オリンピックに参加し始め、2016と2017年にアメリカで行われたIntel ISEF(インテル国際科学技術フェア)に日本代表として参加することが出来ました。この様な活動の結果、東京大学工学部に(2018年春)推薦入試で合格することが出来ました。ここでは私が学校生活や課外活動についてどの様に考え、大学入試に向けてどう取り組んだかについて書こうと思います。
 数学・科学に興味があった私にとって、知識だけでなくその論理構造を把握して解くことが必要とされる科学オリンピックは、自ら学習していく強いモチベーションになりました。その後、研究活動を始める様になり、これらで得た知識や交流が糧となり、アルゴリズムや、楽器の発音機構の研究によってJSEC(高校生科学技術チャレンジ)で賞を頂くまでになりました。国際大会への出場が決まってからは、OBの方との合宿や通信添削等で、必要な追加実験や展示用の機器とポスターの作成、英語での発表練習を行って半年間かけて準備を行いました。アメリカでは、企業や大学で実際に研究をされている審査員からコメントをもらったり、世界各国から来た参加者と互いの研究や今後の展望について意見交換をしたりすることが出来、ダンスパーティや交流会で多くの友達を作ることが出来ました。さらに学校でもこうした様々な経験を生かして、学友会(生徒会に当たる)で学校行事等の運営を行いました。大学入試は特に数学、理科といった問題は論理構造を把握することが重要で演習によって理解を深めていける科目であるので、こういった経験のおかげでスムーズに学習を進めることが出来ました。
 振り返ると、中学高校は自ら興味を持ったことに恐れることなく挑戦し、ライバルと切磋琢磨できる絶好の機会であったと思います。特に、こうした学校生活や科学オリンピックで得られた繋がりや経験、そしてそのためにした努力はかけがえのないものであり、研究者という進路の決定や、学習に対するモチベーションになりました。
 パスカル数理ゼミは、こうした知識と論理構造を理解して自ら課題に対処する能力や研究に関する議論に必要な語学力を高めることが出来る貴重な場所でした。今後、こうした科学オリンピックに意欲を持って参加し、国際的にも活躍していく人がパスカル数理ゼミから出ることを願っています。